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ウルトラマンティガ ~外伝「光を繋ぐもの」~ ②(作;たいしょう)

2017.07.14.Fri.09:31
ティガ「何の用だ。性懲りもなく、また挑むか?」

預言者「まあ待て。私は君に別れを告げに来ただけだ。」

ティガ「別れを?」

預言者「ルルイエのことは知ってるだろう?もう少しであの島の闇から大いなる邪神が誕生する。
その前に、我々キリエル人は長き眠りにつき時を待つ。」

ティガ「結局オマエらはオレたちを『救世主気取り』と言いながら、オレたちに嫉妬するだけで何もしないのか?」

激昂する預言者。

預言者「自惚れるな!我々は人を導く神であり、人は我々を崇めていればいい。快楽に溺れた人を導く必要がどこにある!
君も、そう思わないか?!」

ティガ「闇の巨人にそんなもの不用だ!」

ティガに睨まれ、苦笑する預言者。

預言者「そうだったな。君は闇に溺れた者。我々のような崇高な思想は持ち合わせていなかったな・・・
ついでに言うが、いま君の巫女は快楽に溺れた者に狙われているぞ。」

ティガ「そうか・・・」

預言者の前から去るティガ。見送る預言者。

預言者「闇の巨人に成りきれない君を、哀れに思うよ・・・」



15・森

夕方の森で、5人の暴徒がユザレの前に群がる。暴徒の目は血走り毒々しい雰囲気を醸し出しているが、ユザレは一歩も退かず対応する。

暴徒A「アンタ、海にあるピラミッドから来たんだろ?」

ユザレ「そうよ。私に何の用?」

暴徒B「ねえねえ、ギジェラを、ギジェラをアタシたちにちょうだいよ!」

暴徒C「オレたちは、アンタんところの人間がギジェラを持ってくところを見てんだ。何度も何度も、この目で見てんだよ!」

ユザレ「あれは、医療班が研究の為に持っているもの。私は持ってないわ。」

暴徒D「何でだよ!アンタ、巫女様だろ?オレたちがこんなに苦しんでるのに、何で助けてくんねぇーんだよ!」

何か匂いを嗅ごうとする暴徒E。

暴徒E「なあ、巫女様の身体の中にギジェラがあるんじゃねぇーのか?なんかいい匂いがプンプンするんだよなぁ・・・きっとギジェラの花粉だぜ!」

暴徒Eの言葉に同調して嗅ぐ他の暴徒。

ユザレ「貴方たち、何やってるの?!」

暴徒D「本当だぁ。ギジェラの匂いだ!」

暴徒C「もっと嗅ぎてぇー!」

ユザレ「いい加減にしなさい!」

ユザレの言葉に、激昂する暴徒たち。

暴徒A「いい加減すんのは、テメェーの方だろうがよ!こっちはギジェラ欲しいって言ってんのによぉぉぉぉ!」

暴徒B「ねぇ、お人形さんごっこしましょう。どこにギジェラ咲いてるか見たい。」

暴徒E「いいねいいね!」

徐々にユザレに寄る暴徒たち。そこに、ティガが立ち塞がる。

ユザレ「ティガ!」

ティガ「ギジェラの花粉を嗅いだヤツらは、根から腐っているようだな。」

暴徒A「誰だテメェー!?」

ティガに襲いかかる暴徒A。だが、ティガの一撃でダウンする。
それ見て、他の暴徒たちも一斉に襲いかかるが、これも一撃でダウンする。

ユザレ「ありがとう、ティガ。」

ティガ「ギジェラで狂ったヤツが気に食わないだけだ。」

ユザレが何気なくティガの横顔を見ると、ティガの記憶がユザレにフラッシュバックする。



16・ティガの記憶

人々の為にギジェラと戦うティガ(光の巨人)。だが、人々はティガにやめろと懇願する。それでもギジェラを葬るが、人々はティガを罵倒し激しく非難する。
戦いを終えたティガ(人間態)は、誰もいない場所で一人苦しむ。



17・森

ユザレ「ティガ・・・」

ティガ「オマエ、オレの記憶を見たのか?」

ユザレに迫るティガ。

ユザレ「ごめんなさい!」

ヤズ「姉さんに、何をする!」

ユザレからティガを引き離すヤズ。
ティガから落ちたブラックスパークレンスを取ると同時に、倒れた暴徒たちに気付き動揺するヤズ。

ヤズ「や、闇の巨人!」

ティガ「返せ!」

ヤズからブラックスパークレンスを取り返すと、二人の前から消えるティガ。

ヤズ「姉さん、大丈夫?」

ユザレ「ティガ、ごめんなさい・・・」

涙するユザレ。



18・壊滅した超古代都市

森での出来事を思い返すティガ。

ティガ「・・・」

カミーラ「どうしたのティガ?」

ティガの肩に手を添えるカミーラ(人間態)。

ティガ「何でもない・・・」

カミーラ「そうかしら?」

カミーラは、両手をティガの首の後に回し、ティガと顔を向かい合う。

カミーラ「隠し事はいいわ。でも、嘘はつかないで。
私は、貴方の恋人よ。貴方の傷は私が癒してあげる。だから、今は私だけを見て。貴方は心も身体も全て私に委ねなさい。」

ティガ「カミーラ・・・」

カミーラを抱きしめるティガ。



19・部屋

月明かりのみが照す部屋で、ユザレは窓から砂浜を眺めている。

ユザレ「ティガ・・・」



20・海上ピラミッド

夜から朝へ替わる空の下のピラミッド。ピラミッドからテレパシーを送るユザレ。

ユザレ『ティガ、聴こえる?ユザレよ・・・』



21・砂浜

テレパシーで答えるティガ。

ティガ『聴こえる。こんな朝早くに何の用だ?』

ユザレ『昨日は助けてくれたのに、弟があんなことしてごめん・・・』

ティガ『気にしていない。話はそれだけか?』

ユザレ『実は、こうして話せるのは、今日で終わり。この後、私はルルイエに行くの。』

離れた場所から様子を見つめるカミーラ。

カミーラ「・・・」

ティガ『ルルイエ・・・』



22・部屋

ユザレ『ルルイエの闇を封印する為に行くの。もしかすると命を落とすかもしれないし、生きて帰ったとしてもこの星から旅立たなきゃいけない。
だから、こうして話せるのもこれで最後・・・』

ティガ『そうか・・・』

ユザレ『最後に、これだけは言わせて。私、貴方のこと・・・』

言いかけたそのとき!

ティガ『うわぁぁぁぁ!』

ユザレ「ティガ!」

ティガの叫び声に、テレパシーを中断するユザレ。その直後、警戒音が鳴り響いた。

ユザレ「何?!」



23・砂浜

砂浜に立つカミーラ(闇の巨人)。その手にはティガが握られている。

ティガ「カミーラ!」

カミーラ「目覚めのキスも無いから、心配したのよ。
さあ、帰りましょう。話はそれからよ・・・」

カミーラは、ティガを握ったまま飛び去っていった。



24・廃墟

ヒュドラ(人間態)の連続キックを浴びると、ダーラム(人間態)に投げ飛ばされ、地面に転がるティガ。

ティガ「くっ・・・」

立ち上がろうとすると、すかさずカミーラ(人間態)がティガの首に手を当てながらのしかかる。

カミーラ「ティガ、最近貴方あの砂浜にいるけど、まさか私達を裏切ったりしないでしょうね・・・?」

ティガ「オレがあの砂浜に行くようになったのは、ギジェラが咲いてなかったからだ。」

カミーラ「確かに、あの周辺にはギジェラが咲いてなかったわね。
でも、テレパシーで誰かと楽しそうに話してたじゃない?私が近くにいたのに!」

ティガ「それは、悪かった。あのときオレは、巫女と話をしていた。」

カミーラ「巫女と!」

指の力を強くするカミーラ。

ヒュドラ「テメェー、カミーラという女がいながら、他に女を作りやがったのか!」

ダーラム「・・・」

ティガに非難の眼差しを向ける二人。

ティガ「オレは、巫女の行動を探ってただけだ!
あのピラミッドにいる巫女は、ギジェラも咲けない結界を張れるほどの強い力を持っている。
今日その巫女は、ルルイエへ行く。」

カミーラ「ルルイエに?」

ティガ「探ってたって言っただろう?
巫女は、ルルイエの闇を封印しようとしている・・・」

カミーラ「そう・・・」

手を首から離すと、しがみつきティガに熱い口づけをするカミーラ。
そんなカミーラを見て、目を瞑るヒュドラと唖然となるダーラム。

ヒュドラ「何やってんだよ・・・」

ダーラム「オーマイガー!」

唇を離し、ティガを愛しそうに見るカミーラ。

カミーラ「ティガ、疑ってごめんなさい。
貴方が私から離れるんじゃないか、心配だったの。」

ティガ「何を言ってるんだ。」

カミーラ「巫女のことを探るのはいいけど、貴方の恋人は私だけよ。忘れないでね・・・」

ティガ「心配性だな・・・」

立ち上がるカミーラ。

カミーラ「さてと、お化粧直さなくちゃ!」

ヒュドラ「その前にメシにしようぜ・・・」

意気揚々に歩くカミーラと、呆れるヒュドラ。
ティガに手を伸ばすダーラム。

ダーラム「すまなかった、マイ フレンド・・・」

手を取るティガ。

ティガ「気にするな!」



《3へ続く》
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ウルトラマンティガ ~外伝「光を繋ぐもの」~ 人物説明(作;たいしょう)

2017.07.14.Fri.09:31
1・闇の巨人

ティガ
元々は光の巨人として怪獣と戦う戦士だったが、ある出来事で闇の巨人へと堕ちてしまう。人間時は20代前半の青年の姿をしているが、ブラックスパークレンスを使うことで闇の巨人 ティガダークへと変身する。
巨人時は、黒銀の体に、黒のラインと、光の巨人時とは体色が異なる。
同じ光から闇に堕ちたカミーラたちと共に行動している。なお、ティガダーク(ウルトラマンギンガ 5、6話の操られるスパークドール)以外の闇の巨人は劇場版のみ登場。

愛憎戦士 カミーラ
闇の巨人のリーダー格であり策略家、ティガとは恋人の関係。元は巫女であり、人間時でも強い霊的な力と電撃が使える。年齢は20代後半。
巨人時は、銀の体に、金のラインがあり、女性らしさを強調した妖艶な姿をしている。

剛力戦士 ダーラム
粗暴で寡黙な性格で、人間時でも怪力を武器にしている。ティガとは仲が良く、ティガを「マイ フレンド」と呼んでいる。30前半の男性。
巨人時は、銀の体に、赤のラインがあり、鎧を着けているのが特徴。

俊敏戦士 ヒュドラ
血に餓えた冷血な性格で、人間時でも素早い動きで相手を攻める。ティガを嫌っているが、カミーラには頭が上がらない様子。30前半のモヒカン頭の男。
巨人時は、銀の体に、紫のラインがあり、右腕に鉤爪が付いている。



2・海上ピラミッドの人間

ユザレ
本編でも登場したユザレの若き頃(年齢は20くらい)の姿。強い霊的な力の持つ巫女で、上層部と同じ立場ではあるが、本人は特別視されることをよく思っていない。
ティガのことを気にかける。

ズミ
ユザレの弟で、年齢は15、6。ユザレの前では生意気な態度をとるが、姉想いの性格で、若さゆ故に男らしいことに憧れをもっている。
実戦経験はない。

ワサイ
海上ピラミッドの最高権力を持つ総長。ユザレを信頼し、ピラミッドの民のことを1番に考えている。年齢は60半ば。

オシカ
海上ピラミッドの兵士たちを指揮する提督。自身も兵士だった為、いつも険しく張り詰めた雰囲気が出ている。年齢は60半ば。

ハナラ
立場は参謀であるが、ユザレの補佐もやる。年齢は40後半。

ヌーク
医者として、ギジェラから出る花粉の解毒と治療を任されているが、手詰まりの模様。年齢は40半ばくらい。
ティガ45話にも登場。



3・その他

もう一人のティガ
過去にティガダークの前に現れた光の巨人。もちろんティガダークとは別人だが、同じ名前の光の巨人ということでティガダークを狼狽させる。
後にティガ44話で、イーヴィルティガとして復活し、ウルトラマンティガと戦う。

キリエルの預言者
本編でも登場した精神生命体であるキリエル人の代弁者(今回も人間の姿はしているが、憑依か、模した姿かは不明。)であり、ティガとはお互い面識がある。

暴徒たち
5人のうち、Bが女性で、他4人は男性。ギジェラの花粉による中毒者で、ユザレを襲う。

尖兵怪獣 ゾイガー
ティガ49~51話にも登場。闇の支配者(ガタノゾーア)に仕える怪獣で、今回はテレパシーによる会話が可能。

闇の魔神
超古代文明滅亡後に2人の光の巨人と戦った魔神で、見た目は遮光土偶に似ている。
OVの回想シーンにも登場。

ナシオ、ボーブ
村を守った光の巨人の生残り。ティガと共に黄金のピラミッドを造ると、石像となって村から旅立つ。
石像はティガ1話、他に登場する。

ウルトラマンティガ ~外伝「光を繋ぐもの」~ 用語説明(作;たいしょう)

2017.07.14.Fri.09:30
・ウルティーマノ
怪獣と戦う戦士たちを、光の巨人へ変えた宇宙から来た謎の発光体。怪獣の活動が沈静化した頃に宇宙へ帰るが、意思の有無は不明。
語源は超古代の神話に登場する導きの神・ウルティーマから。
光の巨人を誕生させたが、同時に闇の巨人を誕生させることとなった。

・ルルイエ
元々は超古代都市の島だったが、闇の発生源だった為最初に被害を受け沈没。
超古代文明人から「呪われた島」として恐れられているが、逆に闇の巨人には「聖なる島」とされている。
ユザレの話によると、浮上したことも含め「島全体が巨大な闇の繭」になっているらしい。
ティガ49~51話、劇場版にも登場した。

・光の巨人と闇の巨人
怪獣と戦う戦士たちが、ウルティーマの力によって光の巨人となり、怪獣の活動を一時沈静化させた。
その後、戦士から心の闇に堕ちた者が現れ、闇の巨人が誕生する。
光の巨人と闇の巨人はお互い激しく争い、さらにギジェラや再び出現した怪獣により、光の巨人の数が激減。闇の巨人も、最終的にはティガダーク含む4人だけとなった。

・ギジェラ
ティガ45話他にも登場した超古代植物。
怪獣の活動が沈静化した頃から出現し、複数体存在したことで超古代文明滅亡に拍車をかけた。
群生するギジェラは他の花と変わらぬ大きさだが、その本体は53メートルもある。
ギジェラの花粉には、吸った者を快楽の夢の世界へ溺れこむ作用があり、花粉が出ない夜になると、吸った者は堪えきれず花粉を求めるようになる。

・海上ピラミッド
ユザレたちが住む海上に浮かぶ銀のピラミッド。
人工の住居地で、約1000人ほどが生活しており、高度な科学力と技術を有する独立した超古代都市でもある。

ウルトラマンティガ ~外伝「光を繋ぐもの」~ ①(作;たいしょう)

2017.07.07.Fri.19:34


(イメージ映像)――イコン画

イコン画には、超古代文明で起こった出来事が描かれている。その内容は以下の出来事だ。
豊かなる超古代文明。
闇の中から姿を見せる怪獣。
怪獣と対峙する戦士と光に照らされる巨人。
光を求め絶望する人々と、その両脇には燃える都市を蹂躙する四人の闇の巨人・・・

ナレーション「今から遠い遠い太古の昔、我々とは異なる人類である超古代の人々は理想郷を築き、繁栄と平和を謳歌していた。
だが、ルルイエから放たれた闇が怪獣を生み、人々はその脅威に怯えていた。
それでも、人々の中には怪獣に立ち向かう戦士がおり、宇宙から降臨した光から力を授かった戦士たちは、光の巨人となって怪獣を葬った。
人々は再び平和を取り戻し、それを見届けた光は故郷の宇宙へと旅立つ。
しかし、その平和は長くは続かなかった。
闇の巨人が現れ、人類を、光の巨人を襲い続けていた。ティガもその一人である・・・」



—――超古代都市

襲撃を受け燃える夜の超古代都市。逃げ惑う人々。崩れる建物。
その様子を眺める闇の巨人たち、ダーラム(赤い胸板の鎧を纏う。)ヒュドラ(かぎ爪をつけた紫の巨人)そしてカミーラ(黄金色の女性の巨人)。

ダーラム「この街には光の巨人がいない・・・」

ヒュドラ「そうだな。前はすぐ光の巨人が出てきたのによぉ・・・
こうもあっさり終わるとつまんねぇーな。」

カミーラ「今日は、そのへんにしときなさい。」

二人の後ろから声をかけるカミーラ。

カミーラ「この身体には、時間制限があるわ。こんなところで暴れても時間の無駄。さっさと行きましょう。」

ヒュドラ「あいよ。」

ダーラム「ティガがいない?」

ヒュドラ「ほっとけ、ほっとけ。アイツは人間様には興味はねえ。」

カミーラ「そうよ。ティガは、強い者しか興味がない。人間なんて弱い生き物なんて相手にしないわ。」

ダーラム「いや、あの光の巨人に会ってからだ・・・」

カミーラ「『ティガ』を名乗るあの巨人ね・・・」



—――回想

ティガ「オマエは、誰だ?!」

ティガの目の前に、自分に似た巨人が立っていた。頭の形や目の色は似ているが、銀の身体には黒のラインが流れている。

もう一人のティガ「オレの名は、ティガだ。」

ティガ「ティガ?オレと同じ名前か?」

もう一人のティガ「オレとオマエは違う。オマエは闇に堕ちたが、オレは闇に堕ちるほど自分を見失ってはいない!」

狼狽えるティガ。

ティガ「黙れ!ティガは、オレ一人で十分だ!」

もう一人のティガ「何故オマエは闇に堕ちた。オマエとて、人として、戦士として人々を守りたいと思った頃があっただろうに?」

ティガ「オレは・・・」



—――砂浜

ティガ「・・・必要がなくなっただけだ。」

ティガ(人間態)は、夜の海を見つめながら、以前会ったもう一人のティガに呟いた。

?「やっぱりいた!」

女の声に身構えるティガ。

ティガ「誰だ!」

闇の中から白い巫女装束を身にまとった女性、ユザレが現れた。身構えるティガとは対称的に、ユザレは明るい笑みを見せながら歩み寄る。

ユザレ「私は、ユザレ・・・そんな怖い顔しないでよ。貴方は初めてかもしれないけど、私は貴方のことずっと見てたわよ。」

首を傾げるティガ。

ティガ「見てた、だと?」

ユザレ「そう。あそこから・・・」

そういってユザレが指差す方向を見るティガ。

星空の下、海上ピラミッドが銀色に輝いていた。

ティガ「ピラミッドの人間か。巫女のくせに悪趣味だな。」

ユザレ「悪趣味って失礼ね!貴方が振り向かせたんじゃない!」

ティガ「オレが?」

ユザレ「前から誰かいるのは気付いてたの。それで、見てみたら貴方が海を眺めていた。とっても寂しそうに・・・」

ティガ「寂しそうに?」

ユザレ「私もね、小さい頃から巫女としての力を持っていて、みんな巫女様扱いするの。生意気なこと言うのは、弟だけ。
貴方と私、人とは違うもの同士、友達になれると思う!」

ティガ「オレが誰だか知ってるのか?」

ユザレ「え?」

ティガの拳がユザレの頬を掠める。ティガの拳にはブラックスパークレンスが握られている。

ティガ「知っての通り、オレは闇の巨人だ。人と心を通わすつもりはない。」

ユザレ「そんな・・・」

ヤズ「姉さーーん!」

自分を呼ぶ弟・ヤズの声にハッとするユザレ。

ユザレ「弟だわ!隠れて・・・」

ヤズの姿を見つけたユザレが促すように振り返ると、ティガはすでにそこにいなかった。

ユザレ「おやすみなさい・・・」

ティガは樹に隠れながら、走り去るユザレの後姿を見送った。

ティガ「・・・」



翌日。

—――海上ピラミッド内の会議室


ワサイ総長をはじめ、オシカ提督、ハナラ、ユザレ、ヌークたち五人が会議が行っている。

ワサイ「ハナラ、現在の状況を説明してくれ。」

ハナラ「はい。ギジェラの生息範囲は、初めて確認された一月前より広がっています。ギジェラの花粉を吸った者は夢の世界に溺れ、花粉が止む夜になると禁断症状が表れ・・・」



(イメージ映像)—――超古代都市

複数のギジェラが咲くなか、燃える都市。

—――会議室

ハナラ「ギジェラを欲する者同士で争い、それが連鎖して次々と都市が壊滅しているそうです。
幸い子供には影響がないことと、ユザレが張った結界によりこのピラミッドは効果を免れていますが、時間の問題です。」

オシカ「ギジェラを焼くことはできないのか?」

ハナラ「焼こうにも根は地底深くにあり、一体だけではありません。我々の技術では無料でしょう。」

ユザレ「巨人に頼んでみてはどうでしょうか?」

ワサイ「巨人に?前はギジェラを攻撃した巨人もいると聞いたが・・・」

オシカ「巨人は人であるときの姿を見せない。それに、闇の巨人との戦いで多く光の巨人が死んだと聞いている。
巨人の知り合いでもいるのか?」

ユザレ「いえ・・・」

ワサイ「問題はギジェラだけではない。またルルイエが浮上したと情報が入っている。」

オシカ「怪獣を生み出した闇の島が?!」




(イメージ映像)—――ルルイエ

つい数年前まで繁栄していた都市だった。しかし今はまるでそれらは幻だったかのように荒廃し、不気味な静けさを漂わせるている。

ユザレ「一度行きましたが、以前より強大な闇の力がルルイエ全体に・・・いえ、あの島自体が巨大な闇の繭かも知れません。」

(イメージ映像)—――ルルイエ全体を覆う邪神のイメージ。



—――会議室

ハナラ「やはり、我々はこの星を去らなければならないのでしょうか?」

ワサイ「こうなった以上は、やむを得ない。時間の問題というなら尚更だ。」

ユザレ「あの・・・」

ワサイ「どうしたユザレ?」

ユザレ「もう一度ルルイエに行かせて下さい。この星を立つ前に、ルルイエの闇の力を封印しようと思います。」

ワサイ「・・・いいだろう。ただ急で申し訳ないが、明日にやって欲しい。」

ユザレ「明日?」

オシカ「安心しろ!選りすぐりの兵士もつける。ユザレは、ルルイエのことに専念すればいい。」

ユザレ「ありがとうございます・・・」

オシカに礼をするユザレ。その顔には少し寂しさがある。

ワサイ「ユザレが戻り次第、当ピラミッドは出発する。ハナラ、技術者たちに急がせてくれ。」

ハナラ「わかりました。」

ワサイ「ヌーク、君はどうする?」

ヌーク「私の妻は、出産が近いのですぐ出発できる状態ではありません。医者として、産まれてくる子の父として出産を見届けてから、私もこの星を去ります。」

ワサイ「そうか。母子共に無事であることを祈るよ。」

ヌーク「ありがとうございます。」

ワサイとヌークを見るユザレ。

ユザレ「・・・」


—――森

夕方の森を歩くユザレ。その後を追うヤズ。

ユザレ「何で付いてくるの?」

ヤズ「姉さんが、いなくなると困るし、一応僕はお目付け役なの。」

ユザレ「勝手にそうしてるだけじゃない。」

ヤズ「昨日だってこっそり夜中に出歩いて、恋人でもいるの?」

ユザレ「恋人!」

急に立ち止まるユザレ。ヤズがユザレの背中にぶつかる。

ヤズ「どうしたの姉さん?」

呆れるユザレ。

ユザレ「貴方ね、そんなんだから子供なのよ!」

ヤズを置き去りにするユザレ。

ヤズ「何だよ?!いつもそうやって子供扱いして!待てったら!」

不貞腐れながらユザレを追いかけるヤズ。



14・砂浜

昨日と同じく海を眺めるティガ。

ティガ「覗きなんて悪趣味なヤツだな。元々そういう種族か?」

?「失礼だぞ、闇の巨人!」

振り向くティガ。そこにはキリエルの預言者が立っていた・・・



《2へ続く》

短編「I know how it will be 」

2017.06.07.Wed.08:17
短編:I know how it will be
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